2010年10月26日

チラ裏

兄の若年性認知症が悪化してる。

事実無根のことで怒鳴られたから、トイレに逃げ込んだ。
何を言ってももう兄には言葉が通じないことを知ってるから。
私にとっては事実無根、でも兄にとってはそれが真実。

兄が思い違いをしてることを論理的に説明しようとしても
「おまえ頭おかしい」「病気なんじゃないか」って
それしか返ってこないから。だから兄を刺激しないよう逃げた。

でも、兄はトイレまで追ってきて…
トイレの前で延々と怒鳴っていた。

「傘が売り切れてたのは俺のせいだと思ってるだろ」
「俺は腹なんてすいてない。お前の空腹は妄想だ。病院に行け」

もう、完全におかしい。何言ってるかわからない。
悲しくて、情けなくて、涙が止まらなかった。
兄の脳細胞は壊れてて、もう元には戻らない。
これからもっともっとひどくなっていくのかもしれない。
前を向こうと思うけど、胸を張ろうと思うけど、
弱音を吐いたら負けだと思うけど…
私だって、いつまで耐えられるか分からない。

でも、兄がこんなことになったのは、沢山苦労をしたからだと思う。
兄はまだ30歳になったばかりなのに、頭には白髪が沢山ある。
私は兄がこんなになるまで何一つ兄のためにできなかった。
そしてきっとこれからも兄を助けられない。
こんな風に思ったら負け、諦めたらそこで試合終了、そう思うけど、
やっぱりこういう現実に直面すると心が折れそうになる。

ぼろぼろになった兄に何もできないことが、何よりも悲しい。



RG12132 at 22:02メイド日記  
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